眼鏡びいき。

日々の雑感であり、個人的見解の忘備録。

特養での雑感、その2

忘れないうちに書き足していこうと思います、そもそもどんなに思う事があったとしても時間が経てば人間忘れてしまう生き物なので。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 5日間の中で、併設されている老人ホームの方と一時間程度お話をさせていただく機会がありました。

 

その方は女性で先に亡くなったご主人はサラリーマンで、世界・国内を転々としていたそうです。特養とは異なり、一般的な老人ホームという事で住んでいる階層の方も、勿論要介護度もだいぶ異なっていました。ご主人は最期に尊厳死を選択し、一切の治療を止めたそうです。その際に夫人であった女性は「後を追いたい」と思ったそうですが、ご主人の遺言として「余生を楽しんだらどうか」という言葉を受け止め、今の生活に落ち着いたそうです。

また老人ホームについても、要介護度などからも鑑みて最期まで滞在するような施設ではなく、かと言って隣に併設されている特養の様子を時折見ると複雑な気持ちになる、と仰られていました。とても丁寧に、でも率直に意見を述べてくださった女性でした。

また、前回の記述でも触れましたが、高齢で入所される方のご子息もやはり少なからず歳を重ねているという現状に対して、「子供の方が先に亡くなってしまうのではないか」という恐怖は常々抱いているそうです。

 

話は少しそれますが、丁度私が特養に通っていた週に日経に以下のような記事が連載されていましたので会員の方は是非ご一読ください。

 

(体・験・学)介護に詳しくなりたい(1) 衰え隠せぬ両親、「逃げられぬ」 デイサービスの門をたたく :日本経済新聞 変更する

www.nikkei.com

 

所感として、やはり利用者はご子息などに対して遠慮を感じておられるのだと思います。先ほどの女性も息子さんから同居の誘いは受けているのですが、様々な事情を考慮して遠慮して現在の老人ホームに入居されているという事を伺いました。

一方で、その女性の個室で話を伺ったのですが少なくとも私に話しかけている時はとてもいきいきとお話をされているように感じられました。やはり、時折ご子息が来るとはいえ、お話する相手、もっと極端に言えば話を聞いて共感してくれる「だけの」相手が欲しいのかな、と思いました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

特養の方に話は戻りますが、私は特養な施設を目の当たりにした時に、衝撃はありましたがそれは想定内の範囲でもありました。職業柄や生来、感情を表に出さないのでその延長上にいるから、だとも思いましたが本当にそれだけなのかな、と自身に疑問を呈すようになりました。

想定内の衝撃であった理由...陳腐かと思われるかもしれませんが私はその状況に(程度の差はあれ)類似した漫画を見た事があったからなのかもしれません。

 

ブラックジャックによろしく」(全巻無料で読めます)

 

bookstore.yahoo.co.jp

 

9巻以降では精神科でのローテションが始まりますが、この状況のほうがよっぽど特養と比較して「キツい」ものがあったのが、何故かこの5日間の間に蘇ってきました。

 

もう一つ理由として原体験を言うなれば、既に他界している祖父や曾祖母が寝たきりとなった状況で認知症も少なからず進行していた時期に当時小学生に入るか入らないくらいだった自分が訪問していたという経験が反映されているのかもしれませんし、遠くない将来、特養のような施設に親類がお世話になる可能性がある事、今回訪問したような特養が全国各地に無数にあり、しかし現状も足りていない(今回の施設でも300人程度が入居待ち)という現状など、自分自身の感情や事実をまとめようとしましたが、綺麗にまとまりませんし、まとめるべきでもないのかもしれません。

またまた、乱筆しましたが次回は職員や施設に対する所感を述べていきたいと思います。